2014/12/15

和田康宏の「転ばぬ先の知恵」Vol.15

運送会社専門のコンサルタントとして活躍する「あいち経営コンサルタント」の和田康宏氏。コンサルタント実績は300社を超え、多くの社長・ドライバー・管理職と接してきたその実績はどんなコンサルタントよりも中身が濃いと評判だ

 

「一般人からメーカーにクレームが入って大変です」

ある運送会社の社長さんからのお電話です。

バイクが狭い道路で、トラックの左側方のわずかなスペースから追い越しをかける様子で接近してきて

危なかったことから、トラックを緩やかに左に寄せながら走行したそうです。

ところが、無理な追い越しをかけようとしていたバイクの男性が荷主であるメーカーのお客様相談室に

クレームの電話をいれてきたそうです。

「◯×運送は非常に危険な運転をしている。あんな運送会社は取引停止にしろ。

あと、自宅に謝罪に来い!」

ざっとこのような内容だったようです。

自分の運転を顧みない、典型的な自己中心的なクレーマーです。

このような輩が最近、本当に増えてきています。

運送会社の社長さんの苦労がヒシヒシと伝わってきます。

クレーマーの行動はワンパターンです。

まず、警察に電話する。

しかし、ほとんど相手にしてもらえません。

次に運送会社または荷主企業に電話します。

通常、運送会社や荷主企業も丁寧に謝罪をします。

それで気が済むかと思えば、それで気が済まないことが多いです。

そこで一番あるのが「謝罪に来い!」=「何か包んでこい!(本音は)」です。

ここまではまだ耐えられる社長さんも多いのですが

最後の「運輸局に言うぞ!!」のキラーワードを聞くと一抹の不安がよぎってしまいます。

「どうしよう・・。運輸局に通報されたら監査があるかも。監査があると労働時間やら点呼なんか

違反しているから行政処分になったら大変だな。」

真面目な社長さんほど悩むのではないでしょうか?

確かにあまり楽観的に考えていると痛い目にあうことはあります。

クレームがあった場合にまずやっておくべこと。

それは「ドライバーに対する教育指導」です。

たとえ、ドライバーの過失がなかったとしても、再確認のためにクレーム予防に関する教育、

指導を実施しておくことです。

後日、運輸局の監査(呼出し指導になることも多いです)時にも、しっかりクレームに対する対策を迅速に

行っていることを説明する必要が出てくるからです。

根本的には、やはりクレームがキッカケで国土交通省の監査などが入っても大丈夫な法令遵守状況を

日頃から作り上げておくこと。

当たり前ですがこのことがとても重要です。

運送事業を行っている上で「クレーム」はつきものです。

クレームでいちいち慌てないようにするために大切こと。

それは「日頃からの安全管理」ですね。

勝負は日頃にあり、です。

 

2014.6.25


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