激動の8年だった―。
こう振り返るのはサンワNETS(静岡県袋井市)社長の水谷欣志さん。
社長就任翌年の2008年にリーマンショックが襲った。そして2011年には
東日本大震災とタイの洪水など、自動車関連製品を取り扱う比率が高かった同社
にとっては大きな痛手となり、売上が2割以上落ち込んだ。
しかし「どんなときでも売上を上げている経営者は必ずいるので、結局は社長で
ある私がダメだったということ」と、外的要因を言い訳にはしない。
こうした苦難を機に自動車関連の売上比率を下げ、食糧品や化粧品、医療品分野の
物流など幅広い視野で事業を展開していく。
現在はまだ最盛期の売上に戻ってはいないが、それでも今後5年間にかける期待は
大きいという。
「2020年には東京オリンピックが開催される。地方創生も政策としては大切だが、
当社がそのプラスの恩恵に浴するためには、関東圏と中京圏を太いパイプで結び、需
要を引き込むことが大切だ」と水谷さんは力を込める。
すでに関東圏の拠点強化に取り組んでいる。3月には食品をメーンとする「川崎物流セ
ンター」を立ち上げると同時に埼玉県の物流拠点も拡充。現在までに関東に5拠点を確
保した。
昨年、高速道路は、圏央道/相模原愛川ICから高尾山ICまで開通。今年度は新東名/
浜松いなさJCTから豊田東JCTまでの開通も予定されており、関東圏と中部圏は物理
的にも太いパイプで結ばれビジネスチャンスが広がる。
同社はことし創立45周年を迎えた。来るべき50周年に向け、水谷さんは厳しかった8年
間をバネに、この先5年間の飛躍を誓う。
2015.4.8