2015/07/30

関東と中部を「太い物流」で結ぶ

 

激動の8年だった―。

こう振り返るのはサンワNETS(静岡県袋井市)社長の水谷欣志さん。

社長就任翌年の2008年にリーマンショックが襲った。そして2011年には

東日本大震災とタイの洪水など、自動車関連製品を取り扱う比率が高かった同社

にとっては大きな痛手となり、売上が2割以上落ち込んだ。

しかし「どんなときでも売上を上げている経営者は必ずいるので、結局は社長で

ある私がダメだったということ」と、外的要因を言い訳にはしない。

こうした苦難を機に自動車関連の売上比率を下げ、食糧品や化粧品、医療品分野の

物流など幅広い視野で事業を展開していく。

現在はまだ最盛期の売上に戻ってはいないが、それでも今後5年間にかける期待は

大きいという。

「2020年には東京オリンピックが開催される。地方創生も政策としては大切だが、

当社がそのプラスの恩恵に浴するためには、関東圏と中京圏を太いパイプで結び、需

要を引き込むことが大切だ」と水谷さんは力を込める。

すでに関東圏の拠点強化に取り組んでいる。3月には食品をメーンとする「川崎物流セ

ンター」を立ち上げると同時に埼玉県の物流拠点も拡充。現在までに関東に5拠点を確

保した。

昨年、高速道路は、圏央道/相模原愛川ICから高尾山ICまで開通。今年度は新東名/

浜松いなさJCTから豊田東JCTまでの開通も予定されており、関東圏と中部圏は物理

的にも太いパイプで結ばれビジネスチャンスが広がる。

同社はことし創立45周年を迎えた。来るべき50周年に向け、水谷さんは厳しかった8年

間をバネに、この先5年間の飛躍を誓う。

 

2015.4.8