2015/07/30

強い決意で物流改革断行

家具メーカー「カリモク家具㈱」(愛知県知多郡東浦町)の常務取締役、浜岡一則さんは、

8年前から自社の物流改革に乗り出している。

名古屋大学農学部に在学中は木材というニッチな分野の研究に没頭。同社に入社後も、材料

研究・開発に携わってきた。

そんな木材一筋の浜岡さんだったが、8年前に大きな転機が訪れる。

商品管理部部長として物流現場を預かる立場となったのだ。

昭和39年の販売会社設立当初は営業マンによるトラック配送が主流。その後チャーター車に

よる配送に転換するなど物流の見直しが行われてきたが、浜岡さんは「お客様からの宅配要望

に応える」という大きな課題を実現するため、さらに一歩踏み出す。

「得意先の多くは我々のショールームで家具を購入してもそれを運ぶインフラを持っておらず

我々に宅配を依頼するケースが非常に多かった」。

そこで、効率的な宅配を実現するために断行したのが共同配送だ。浜岡さんはまず、共同配送が

できる物流パートナーを見つけるため奔走する。企業規模よりもオーナーの輸送に対する思い、

そして何よりも意志疎通が大切だと考え、パートナーとして選んだほとんどが中小企業だった。

そして本社倉庫はパートナーに貸し出し運用。本社以外の全国各地はパートナーが保有する倉庫

へ製品を移動し、そこで運用を委託した。

パートナーはカリモク製品以外の元々持っている荷物を共同配送運行に乗せる。これによってさら

なる効率化と輸送コスト削減が実現したのだ。

「私が改革を断行できるのも、オーナーから『やってみなさい』というチャンスがもらえるから」

笑顔で話す浜岡さん。

今後ますます複雑化する物流を先導していく決意だ。

 

2015.4.22