「ゆっくり休むのは死んでからでいい」―。
ハマキョウレックス会長で静岡県トラック協会会長も務める大須賀正孝さんは
そう言って周囲を笑わせるが本人はいたって真面目な表情だ。
胸ポケットから出したスケジュール表を見せてもらうと、土日も含め向こう1か月の
予定がビッシリと埋まっていた。予定の内容は商工会議所や大学入学式での挨拶など、
物流に限らず多岐にわたる。むしろ本業よりも多いかもしれない。
3月3日で満73歳を迎えたが、そのパワフルさはまるで年齢を感じさせない。
「いいか、73年というと長く感じるかもしれないが、日数で言うとたった26,000日あまりしか
生きていない。80歳の人だって30,000日も生きていないんだ」と笑うが「逆に言えば人生は
それほどあっという間に過ぎていくんだ。だから今日という一日を精一杯生きなければならない。
オレはそういう考えでこれまで生きてきた」と話す。
冒頭の言葉は、”生きているうちは一生懸命働き、そして一生懸命に遊ぶ”という前段がある。
そうした信念から、もったいなくて0時前に家に帰ったことがないという大須賀さん。
なぜならビジネスの世界においては「本物の情報は夜の21時過ぎに入ってくる」からだ。
食事をして、2次会、3次会へと進むにつれて、相手の本音の部分が出てくる。
「打合せを兼ねた飲食、つまりビジネスに関する交渉を兼ねた食事は古来世界共通の風習だ。
それは酒が入るとリラックスして、率直な言動を示すようになるからだ。情報はもとよりお互いを
知るにはとてもいい機会だ」とする。
そうして出てきた本物の情報をこれまで幾度となくビジネスチャンスに変えてきたという。
「何事も一生懸命やっていれば自然とアンテナが高くなる。それがビジネスにもつながる」と
言い切る。また、大須賀さんはビジネスだけでなくトラック協会や支部などが主催する宴席にも
積極的に参加し、同業の仲間と広くコミュニケーションを図ってもいる。
「お互いが腹を割って話すことで問題を共有することが大切だ」と話す。
2014.4.9