2014/12/05

和田康宏の「転ばぬ先の知恵」Vol.05

運送会社専門のコンサルタントとして活躍する「あいち経営コンサルタント」の和田康宏氏。コンサルタント実績は300社を超え、多くの社長・ドライバー・管理職と接してきたその実績はどんなコンサルタントよりも中身が濃いと評判だ

 

今回は2013年11月1日からスタートする行政処分基準についてです。

新しい行政処分基準は

1)「記録の改ざん、不実記載」に対して処分が重くなっていること。

2)「記録の記載不備」に対して文書警告のみ(初回違反)で実質行政処分がないこと。

の2つが主な内容です。

具体的に「点呼記録」でご説明します。

点呼で一番の悩み。

それは「深夜早朝の対面点呼」ができないことではないでしょうか?

実際問題として、仮に対面点呼ができていないとしましょう。

これまでの行政処分では、点呼記録に「記録なし」が発覚すると初回違反でも

「警告〜20日の車両停止処分」になっていました。

そのため、どうしても事業者側としては対面点呼を“やったことにして”点呼記録にも「対面」

記録することもあったのではないでしょうか?

ところが、新しい行政処分基準では、初回違反で「一部記録なし」の場合には「警告」となり

実質の車両停止などの行政処分はないのです。

逆に、対面点呼をやってもいないのに“やったことにして”「不実記載」をすると初回違反であっても

「30日の車両停止処分」となってしまうのです。

素直に記載しなければ、初回だけは行政処分なし。

ウソを記載すれば、初回でも行政処分あり。

この点が小さな改正に思えますが、大きな意味があるのです。

ちなみに「一部記録なし」は再違反でも「10日の車両停止処分」です。

一方「不実記載」は再違反では「60日の車両停止処分」となってしまうのです。

なんと再違反では「6倍」も行政処分の重さが違うのです。

これからの監査対応は「ウソを書かない、つかない」が基本です。

これまでの監査対応とは180度転換する時代となりました。

 

2014.1.22


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